「神田っ!」

「・・・何だ?」

「コムイさんが呼んでたよ〜何かしたの〜?」

「・・・コムイは名前で呼ぶんだな・・」

「?どうかした?」

「・・・・・何もしてねぇよ。じゃあな」









・・・・・最近、神田の様子がおかしいのですが。


だってニヤニヤしながら問いただしてみたけど、いつものような痛い突っ込みが返って来なかったんだもん。









「何かしたんじゃないの?」

リナリーは一口お茶を飲んで、さらりと言った。

今日は任務も無かったので、リナリーとお茶を飲んでいた。

そして、そのついでに相談してみた所先ほどの返事が返ってきた。

「・・・かなぁ?・・・うーん・・・」

「具体的にはどんな感じなの?」

「えっとねー・・・名前呼んでもいまいち反応が遅いっていうのかな・・・それにいつものような痛い突っ込みが来ないし。
あ、後なんかどことなく不機嫌っぽい」

「何か考え事でもしてたんじゃないの?それに「不機嫌」って、神田はいつも不機嫌そうじゃない」

「まあ・・・確かにそうかもしれないんだけどさ・・・何だろう・・・うー・・・」

考えながらそのまま机に突っ伏す。




何かしたっけ?

神田が不機嫌になるような事・・・

何か・・・




「神田の食べてるもの横からつまむからかなぁ」

「それはいつもの事でしょ。今更どう怒るのよ」

「うぐ・・・!!」

「こういうのは大抵、一番確率の低いものだったりするのよ?」

「一番低いものね・・・」










リナリーのアドバイスを参考に、思い当たるフシを廊下を歩きながら考えてみた。



「うーーーー・・・何か・・・何かーーー」

頭の隅々まで思考を張り巡らせてみても思いつかない。

「何か・・・ないかなぁ・・・痛っ!」

まさに八方塞の所で誰かとぶつかった。



「ご、ごめんなさい!考え事してたから・・・・・あ、アレン君」

急いで頭を下げた後、顔をあげてぶつかった相手の名前を呟いた。

?どうかしたの?何か唸ってたけど」

「・・・・・そんなに聞こえるくらい唸ってた?」

「うん」

「あはは・・・あ、ねぇねぇ。最近の神田って不機嫌そうに見えない?」

「僕に対しての神田はいつも不機嫌そうなんだけどね・・・」

「・・・・・ごめん」

「いや、うん。もう慣れた・・・それにしてもただでさえ不機嫌な神田がもっと不機嫌って結構問題じゃないかな」

「私的には神田、生理なんじゃないかなーって思うんだけど」

「そんな風に思われてたら誰でも嫌になると思うけど」

「気のせいだよ」

親指を立ててそう言うと、アレン君は思い出したように「そういえば」と言った。

と神田って仲いいんだよね」

「うん、そうだよ」

「何で仲いいのに神田をファミリーネームで呼ぶの?呼びやすいから?」

「え?!神田って神田が名前じゃないの?!」

「えっとね、神田の生まれた国ではファミリーネームが先にくるんだよ。・・・知らなかった?」

「・・・全然・・・・・・・・あ!ありがとアレン君」

「へ?」


呆気に取られているアレン君をそのままに、私は神田を探しに走り出した。











本当に、本当に確立は低いけど、僅かでもその可能性があるんだったら。











さっきコムイさんの所に行ったはずだから、司令室あたりに行けば居るかもしれない。



そう考え走っていった所、早くも目標人物を発見。








「神田!」

いつものようにそう呼ぶと、やっぱり神田は少しだけ間をあけて返事を返した。



・・・もしかしたら一番確立の低いものが当たったのかも。




「神田・・・じゃないや。・・・ユウ?」


恐る恐る呼んでみた彼の本当の名前。

今まで気付かずにファミリーネームで呼んでいた。

他の人には名前で呼んでたのに、自分だけファミリーネームって、人によっては疎外感を感じてしまうものかもしれない。




当人は少しだけ驚きが含まれた表情をしてたけど、すぐにいつも通りのすまし顔をして

「何だ」

と応えた。


いつもと同じ返事だけど、不機嫌さは感じられなかった。


「ううん。何でもない」

「何かあるんだろ」

「呼んだだけだよ、ユウ」

「・・・・・あんまり調子にのるな」

呼ばれ慣れてないからか、ユウは少し顔を赤らめた。


































―あとがき―

Dグレ書くとどうして短くなるんだろ・・・
というか、ギャグが無い話書いてると、激しくフザケた文章を書きたくなる・・・!!