「ねぇねぇねぇ!神田!!」

「・・・・・何だ」



聞きなれた声が聞こえ、振り返る。

そこには何やら分厚い本を持った自分と同じエクソシストの少女、

ちなみに彼女と関わるとロクな事が起きない。



「今さ、マッサージっていうものにハマってるんだけど、ちょっと実験だ・・・ゲフゴフ!!付き合ってくんない?」

「オイ、今・・・」

「ハイハイハイ!談話室行こう!漢ならちっさい事なんて気にしない☆」

結局、断りきれない自分に心の底で悪態をつきながら彼女のされるがままに引き摺られていった。


























「つー訳で、どっか凝ってるとこない?」

「ねーよ」

「じゃあ、こっちが勝手に決めていいよね。えーと・・・」

そう言いながら本を捲る。

「いいわけねーだろ!!」

「だって、それじゃ話が進まないでしょ」

「・・・肩。それでいいだろ」

「・・・・・ていうかさ、肩がこるくらいなら髪切ればいいのに。重くない?そのポニーテール。つーか一層の事リナリーみたいにツインテールにしたら?」

「出来るか!!余計な事したら斬るぞ」

「少なくとも私は面白いんだけどね。んじゃあ、行きますよー」

はそう言うと神田の両肩を掴み


ゴギ


あらぬ方向に捻じ曲げた。(どんな形かはご想像にお任せします)

「〜〜〜〜〜〜〜!!!おまっ・・・!今、変な音したっつーか、何すんだ!!」

「え?マッサージ」

「明らかに変な音がしただろ!!」

「空耳だって」

「嘘つけ!!フォントサイズが22で空耳な訳ねーだろ!!」

「神田・・・人っていう生き物は思い込みによって、自分をコントロール出来る生き物なんだよ」

「これで思い込めるんだったら、この世の痛み全て思い込めるぞ・・・お前その本は何の為にあるんだ!!絶対使ってねーだろ!!」

「ああ、これ?『ムツゴロウ動物王国の四季』」

「ブッ殺す」

青筋を浮かべて六幻を の首筋に向ける。

「あははは!冗談冗談!だから六幻しまおう?ね?ちゃんとした本はあるからさ!ネタだよ、ネタ」

「・・・次やったら本気で殺すぞ」

「大丈夫だって!それより、とっておきがあるんだよ〜・・・・・・この辺かなー?」

そう言うと、神田の体をまさぐり始めた。

「・・・何探してやがるんだ!」

突然の彼女の行動に少しだけ顔を赤らめ、慌てふためく。

「えっとね、秘孔。頭維っていうの。一回やってみたかったんだー」


※頭維・・・指を抜いて3秒後に死ぬらしい。北斗の拳のケンシロウ氏の技(というかケンシロウが突いた秘孔)。


「その手を離せ!!殺す気か!!」

「大丈夫、大丈夫。指さえ抜かなきゃ死なないから、これ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・指さえ抜かなければね」

「おい、ちょっ「ハイハイ!次行こう、次!!」

は神田の言葉を強制終了させ、再び本を捲りだした。

「あ、これなんかいいかもよ?針治療」

「・・・ちょっと待て」

「じゃあちょっとブックマンから借りてくるよ」

「待てっつってんだろ!!お前、針治療の国家資格持ってんのか」

「何それ」

「針治療をするんだったら国家資格が居るんだぜ」

冷や汗をかきながら を説得する神田氏。

そんな彼はどこか必死だった。

「大丈夫だって。私、裁縫できるから」

「いや、違うだろ」

「大丈夫、大丈夫!」

「お前・・・やる気あんのか?」

やたらと殺傷力のある、しかも荒療治ばかり提案する に神田はため息をつきながらそう訊ねた。

「ううん。暇だったから神田で遊びたかっただけ」

「おいコラ。お前、暇つぶしで人の秘孔突こうとしたのかよ」


「いやね、神田ならいい突っ込みを返してくれると信じてたからさ」

「・・・俺は帰るぞ」

やってられっかボケ、と言わんばかりに席を立ち、談話室から去ろうと彼女に背を向けた。

「あ、神田!」

呼ばれたと同時に頭に何かがかぶさった。

怪訝な顔で頭から手に取ると、それはタオルだった。

「付き合ってくれてありがと。肩こりだったら指圧するとか蒸しタオルで暖めるとか、ぬるいお風呂に入るといいんだって。あ、言っておくけど、これは本当だよ?」

そして『色々からかって、ごめんね』と付け足して申し訳なさそうに笑った。

「・・・・・・・おい、 。他にも被害者増やすのか?」

「被害者?!言い回し酷ェなぁ、おい!!一応、今のところコムイさん辺り狙ってるよ」

「・・・・・・」

その言葉を聞いた途端、神田は再び元の席に腰を掛けた。

「あれ?どしたの?」

「指圧もいいんだろ。そればっかりは自分じゃ出来ん」

「うん、まっかせて!」

「それに他のヤツが可愛そうだしな」

本当は他のヤツの所に行かせたくないから、だなんて言えず憎まれ口を叩く。


ゴギ


「〜〜〜〜〜!!お前やっぱりブッ殺す!!」

「一言余計なんだよ!!この野郎!!」





































―あとがき(と言う名の言い訳)―

ご め ん な さ い。ギャグが書きたかったんです。発作なんです。