「・・・・・」

どうかした?気分悪いの?」

昨日の今日で、すっかり調子が良くなったらしいコレットは余裕にも私の心配をしてくれた。

「いや、あのね・・・砂漠の次は山ですか?」

私は目の前になる山道を指差しそう言った。


































12話

































今私達の目の前に広がるのは山、山、山。

白い山、青い山、そして山。


「これはオサ山道という山道よ。歴史は・・・」

「はぁ・・・オサ山道かぁ・・・オッ山道とかいうギャグが出来ちゃったよ・・・」

!!!!!聞いているのか!!!」

「はい?!・・・いってぇ!!」

リフィル先生らしき、たくましい声と共に私の頭にかのトイレのスリッパが飛んで来た。

「私の講義をシカトするとはいい度胸だな・・・」

「え?!はい?!何?!ゴメン、ストーリーが掴めないんだけどっ!」

「あーあ・・・隠してたのに・・・」

私の隣でため息を零すジーニアス。

彼女の弟だ。何かを知っているのか?!

「ジーニアス!あのリフィル先生のコスプレしてる人は誰!!」

「あー、だから姉さんだって。姉さん、遺跡とか見たりするとあーなるんだよ」

「発作みたいなのっすか・・・」

「そうだね〜」

慢性リフィル遺跡症候群と名づけよう。



「――――で、だな。この山道を作ったのだが・・・」

「うわ〜リフィル先生の授業久しぶりだね、ロイド」

「・・・・・そうだな」

「ロイド、無理をせずに嫌だと言ってしまえ」

「クラトス・・・私の講義がつまらんと言うのか?そうなんだな?」

「わ、私は別に言ってない。むしろつまらなさそうなのはロイドだ」

鳥肌が立つほどの殺気を放っている先生を見て青ざめたクラトスは何とも大人げない発言をした。

「オイ!!コラ!!俺を売る気かよ28歳!!!」

「私は人生の先輩だぞ!!」

正直こんな先輩、人間としても鏡になんねーよ。

「御託はいらねぇんだよ!!テメー等全員遺跡ハンターの名のもとに祭ってやるぁ!!!」

「俺もかよ!!!」

「私は関係ない!!」





キレた先生に追いかけられているクラトス、ロイドを私とコレットとジーニアスで見守る。





「つーか、ぶっちゃけ皆元気だよねー」

が言うとババ臭いよ?」

「ジーニアス?追いかけっこしようか?私がリフィル先生役でー君があの2人・・・」

「辞退します」

私がこれまでにない笑顔で言うと、ジーニアスも負けないくあいの笑顔で返した。

「何だか皆楽しそうだね〜」

「「そう?」」






「この中にマナの神子はいるか!」





女の人の声が聞こえて、思わず声のした方を振り向いた。






青色の短い着物にそれを止めるピンクの帯。

目は猫目っぽい感じ。

短めの黒い髪を後ろで束ねた・・・・・・・・・・・・・・・・って待てよ?



青色の短い・・・着物?!!

そしてピンクの帯?!!

そしてトドメに黒髪?!!!




日本人に一番近い!!











「ねぇ、アンタ!!もしかして・・・」

「お前が神子か?!!覚悟!!」

「はいぃ?!!!」


私が「もしかして日本人ですか?もしそうなら仲良くなりましょう。いえいえ、怪しい者ではありません。
私こういうものです・・・」って生徒手帳を見せて是非意気投合しようかと交渉しようとしたのに、
どうやら勘違いされ
・・・・・・・・・・・お、襲って来たぁ?!!!!!



逃げて!」

コレットが私に向かって叫ぶ。

しかし、その女の人はかなり足が速い。

おそらく逃げ切れない。

「くらえ!!散力符!!」

何やら紙に文字が書いてある。

当たったら、絶対ヤヴァい・・・!!

「あ、そうだ!・・・・・よいしょ」

私は突進してくる彼女の右に避けた。

「何?!あ、と、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

モチロン勢いつけて走って来た彼女はそのまま後ろの茂みにダイヴ。

!何だかよくわかんねーけどナイスだ!」







「どうしたの? ?」

正気に戻ったリフィル先生とクラトスが私のもとに駆け寄って来た。

あの騒ぎに今まで気がつかなかったのかと思うと、慢性リフィル遺跡症候群とは恐ろしいものだ。

「たぶんコレット狙って来た人間だと思うんですが」

「まさか、暗殺者・・・?」

「やはり、そういう輩も出てくるか・・・」

「マテや。クラトス。お前傭兵だろ。戦えよ」

「・・・・・・まぁ、職業はな。だが、心は会計士だ」

「死ねよ!!あやうく私が殺られるトコだったんですが!!!」

「生きてるではないか」

「でなきゃここに居ネーヨ・・・」

「まぁまぁ、二人とも。とにかく早くここ出た方がいいんじゃない?」

ジーニアスに諭され、私たちは足早にこのオサ山道を抜ける事にした。
























「あ、もう出口じゃない?」

私が指をさした先には、道らしい道が通っていた。

「本当だーやったね!」

コレットとはしゃぐ私。



ガサッ



茂みから物音が聞こえた。


「またさっきの暗殺者か?」

ロイドは腰に付けてある両刀を構える。

「だったらどうしよう・・・」

「大丈夫だ!コレットは俺が守ってやるよ」

「ロイド・・・でもね、たぶん暗殺者さんは が神子だって勘違いしてたよ?」

「気にするな!」

「そうだね!」

コレットはそう言うと、自分の武器のチャクラムを勢いよく出した。

が、コレットの場合一日一ドジというノルマをこなさなすという宿命がある。

「あ」

チャクラムは真っ直ぐに、音のする方の茂みに飛んでいった。

色んな意味で器用な神子である。

「あ・・・危ないね!誰だい、こんなの投げたのは!!」

コレットのチャクラムを片手に出てきたのは案の定さっきの暗殺者。

「あ、私です〜すいません、怪我してませんか?」

「あのねぇ・・・もうちょっと気を付けな。ここに居たのが一般人だったら確実に当たってたよ」

「いや、滅多な事が無い限り居ないと思うんですがね」

「わからんぞ。遠足に来ていれば・・・」

「クラトス。お前が話すとややこしくなるから止めてください」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お、お前達?!さっきの神子?!」

「「「「気づけよ」」」」

「お前、さっきはよくも・・・」

私に向かって指をさしてそう言った。
何かわからないけど勝手に悪者にされているっぽくて腹が立った。

「そっちこそ!急に襲って来て!」

「そうだぜ!せめて『今から殺しに行きますよ〜』とか言って宣言するとかしろよな!」

「ロイド、それはフォローしてくれてるのかな?」

「ああ!バッチリだ!」

「・・・・・・・・・・まあいいわ・・・とにかく!何で私がアンタに襲われなきゃいけないのよ!」

「それはお前がマナの神子だからだ!」

「はぁ?」

「あたしはマナの神子を殺す為に・・・って聞いてるのか?!」

見事に勘違いされていた。
私が何時何処で神子だなんて言ったんだよ・・・

「・・・私は神子じゃないよ」

「え・・・嘘」

「本当」

「あ、神子は一応私です〜」

コレットの急な発言で、みんなの視線は一気に彼女に向けられた。

「ちょっ、コレット!」

「え?だってジーニアス。本当の事ちゃんと教えてあげないと・・・」

「あなた、自分のした事分かってるの?!彼女は暗殺者よ!」

ジーニアスに続いて先生がコレットに言った。

「え、でも・・・」

「お前が神子だったのか!覚悟しろ!」

暗殺者はまたさっき出した紙を出してコレットに襲い掛かった。






































―あとがき―

更新遅れました・・・
気づくとゲームやってたりして・・・恐ろしいですな!(何が)
やっと、しいなが出て来てくれました。この先ちゃんと物語がサクサク進められればいいのですが・・・